2023年9月12日

朝から洗濯と少しだけ掃除。仕事は進まない。

 

わたしのこと見ていてほしいという感情を他人に向けることについてあまり躊躇しなくなった。

 

6年ぶり2回目の北海道。新千歳空港の情報量の多さに圧倒される。こんなにすごかったっけ?何もわからなくなって、なるべく早くこの場を立ち去りたい気持ちでいっぱいで、それでもしっかりホテルで食べるロイズの生チョコだけは買う。特急に乗るために南千歳まで出たけど、時間を間違えて一時間半ほど待機。閑散としたアウトレットでぼんやり過ごす。近くの薬局でサッポロクラシックを買って飲む。わたしの行動はほとんどが支離滅裂で、今回は軌道修正する人も近くにいないため、支離滅裂なまま旅が進行していく。ひとりで困るだけだから大丈夫。

 

友達の結婚式へ。高校生の頃に知り合って、会ったり会わなかったりしながらずっと大事に思っている人。

思い返すとわたしには自分がフェミニストになるきっかけが5回くらいあって、これからも何度もフェミニズムに出会い直すと思うんだけど、ほんとのほんとの始まりはどこだろうと考えたら、たぶん彼女と出会ったことだと思う。

 

函館へ向かう。佐藤泰志の出身地。ずっと行ってみたかった場所なので嬉しい。着いた頃にはもう外が暗くなっていて、函館駅前の夜に走る市電を見て少し泣く。

映画「きみの鳥はうたえる」で僕と静雄が待ち合わせた映画館、僕と佐知子がサンドイッチを食べた喫茶店、3人が相合傘をしたコンビニにも行けた。函館駅前のともえ大橋から見た函館山と函館湾がとても良かった。一時間くらい眺めていたと思う。潮風で身体がベタベタになる。

恋人と初めて会った日を思い出す。知り合った当時、彼は恋ヶ窪のアパートで友達とルームシェアをしていて、煙草を吸いながら煙がこっちに来ないようにサッと手で払って、ビールを全然美味しくなさそうに飲んで、佐藤泰志の小説のいろんな場面を集めたような人だなと思った。どんな人が好きですか?というわたしの質問に、奥行きがある人、と彼は答えた。

函館は景色がずっと青みがかっていた。函館空港から飛行機に乗って東京に帰る。帰宅後、すごく好きな場所だったと話すと、恋人は今度は一緒に行こうと笑った。彼にもあの青が見えるだろうか。

 

坂口恭平「幸福人フー」を読む。